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2026年04月21日

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研究の背景|電子タバコの長期的な健康影響は解明されているのか

イタリアにあるカターニャ大学のリカルド・ポローサ博士と研究者は、電子タバコの長期使用に関する研究結果を世界トップクラスの総合科学誌「Nature」で発表しました。

その内容と研究結果がハフィントンポストにて取り上げられましたので、その翻訳をご紹介させていただきます。

出典: https://www.huffingtonpost.com/entry/science-no-negative-respiratory-impact-from-e-cigarettes_us_5a135803e4b05ec0ae8444d5?utm_content=bufferfe9e6&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

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研究の背景|電子タバコの長期的な健康影響は解明されているのか

紙巻きタバコが毎年アメリカで約50万人の命を奪っているというデータが米国疾病予防管理センター(CDC)から示されています。その原因の多くは、タバコ葉の燃焼によって生じるタール・一酸化炭素・その他有害物質への長期暴露です。

一方、電子タバコはタバコ葉を燃焼させないため煙を発生させず、こうした有害物質の多くが生じません。この特性から、公衆衛生の研究者の間では「禁煙したくない、またはできない喫煙者に対して、燃焼を伴わない電子タバコを代替手段として推奨する動き」が広がっています。

しかし、電子タバコの歴史はまだ比較的浅く、長期使用が健康に与える影響については継続的な研究が求められていました。

 

世界的学術誌「Nature」に掲載された研究の概要

イタリア・カターニャ大学のリカルド・ポローサ博士らの研究チームは、電子タバコの長期使用と呼吸器への影響を調べた追跡研究を、世界トップクラスの総合科学誌「Nature」に発表しました。この研究はハフィントンポストでも取り上げられ、世界的な注目を集めました。

研究の目的と方法

研究では以下の2グループの被験者を3年半にわたり追跡調査しました。

  • グループA:喫煙経験のない、日常的な電子タバコ使用者
  • グループB:電子タバコ使用歴のない非喫煙者

比較・測定した項目は、血圧・心拍数・体重・肺機能・呼吸器症状・呼気中の生物指標化合物・気道の炎症などです。また、肺への早期影響を検証するために、電子タバコ使用者には高分解能CT検査も実施されました。

研究結果

喫煙経験のない日常的な電子タバコ使用者に、呼吸器への健康被害は確認されませんでした。

研究を主導したポローサ博士はロンドンで開催された電子タバコサミットで、「電子タバコの健康上の不安が取り沙汰されていたが、私たちの研究結果は、喫煙経験のない電子タバコの長期使用者においては健康被害がないことを証明している」と述べました。

 

英国公衆衛生庁と英国内科医師会の見解

電子タバコ使用者を対象に行われたアンケートでは、回答者の99%が喫煙者または元喫煙者であることが確認されました。電子タバコと紙巻きタバコそれぞれの健康被害についての比較調査をもとに、英国公衆衛生庁(PHE)と英国内科医師会は「電子タバコは紙巻きタバコよりも95%以上安全である」と結論付けました。

ただし、数十年にわたる長期使用がもたらす影響については現時点では完全に把握することは不可能であり、今後の継続的な研究が必要である点も強調されています。

 

ハーム・リダクション(害の低減)という公衆衛生の考え方

イギリス公衆衛生庁は「ハーム・リダクション(Harm Reduction)」という戦略を実践しています。これは、禁煙しない・できない喫煙者に対して、完全な禁煙を強制するのではなく、より害の少ない代替手段を提供することで健康被害を段階的に減らそうというアプローチです。

具体的には、電子タバコや加熱式タバコ、煙の出ないタバコなどの非燃焼式製品の使用を促すことで、燃焼式タバコによる被害を低減させることを目指します。

ニコチンパッチやガムといった従来のニコチン代替療法は90%以上が失敗に終わるとされる中で、電子タバコはより多くの喫煙者が禁煙に成功し、早死を防ぐための手段として期待されています。

方法 禁煙成功率のめど 特徴
ニコチンパッチ・ガム 約10%未満 手軽だが長続きしにくい
電子タバコへの移行 より高い成功率が期待 喫煙行為に近い体験が可能
完全禁煙(意志のみ) 非常に低い

依存症状に勝つのが難しい

 

研究者・専門家からの提言

全米電子タバコ協会のグレゴリー・コンリー会長は「マウス細胞を使った研究では電子タバコの危険性が示されることもあるが、実際に人間を対象にした研究はまだ十分ではない」と指摘しています。

また「喫煙経験のない日常的な電子タバコ使用者に健康被害が確認できないのであれば、喫煙者に対して電子タバコの使用を警告し続けることは果たして合理的といえるのか」という問いかけは、電子タバコの規制のあり方について重要な問題提起を含んでいます。

 

研究の限界と注意点

本研究はあくまでも「喫煙経験のない電子タバコ使用者」を対象としたものであり、すべての使用者に同様の結果が当てはまるとは限りません。また、電子タバコのリキッド成分・使用頻度・デバイスの種類によって影響が異なる可能性もあります。

電子タバコが完全に無害であることを立証した研究ではない点は理解しておくことが重要です。より長期・大規模な追跡研究の積み重ねによって、今後さらに明確なエビデンスが示されることが期待されています。

 

まとめ

カターニャ大学のポローサ博士らによる3年半の追跡研究では、喫煙経験のない日常的な電子タバコ使用者に呼吸器への悪影響は確認されませんでした。英国公衆衛生庁・英国内科医師会も「電子タバコは紙巻きタバコより95%以上安全」と結論付けており、ハーム・リダクションの観点から電子タバコを積極的に活用しようという動きが欧米では広まっています。

完全禁煙が難しい方にとって、電子タバコは燃焼式タバコの健康被害を段階的に低減するための有力な選択肢として、科学的に注目されています。


[*]ハーム・リダクションとは、健康被害や危険をもたらす行動習慣を行動変容などにより予防または軽減させる社会実践。

 

出典: https://www.huffingtonpost.com/entry/science-no-negative-respiratory-impact-from-e-cigarettes_us_5a135803e4b05ec0ae8444d5?utm_content=bufferfe9e6&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

掲載日:2015年3月18日

※本記事は2015年時点の研究および報道内容を紹介する参考資料です(2026年現在の最新知見ではありません)

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