イギリス政府が電子タバコの安全性を評価:「紙タバコより95%安全」【翻訳】
安全性や受動喫煙や禁煙について
2024年11月22日
イングランド公衆衛生サービス(PHE)は、喫煙者が吸い込む化学物質やタール(がんの原因)の量を、電子タバコや禁煙者と比較して視覚的に示す実験を行いました。その結果、電子タバコは喫煙に比べて少なくとも95%有害ではないことがイギリス政府によって発表されました。この研究結果に基づく英政府の見解は、喫煙者がより健康的な選択肢を取る手助けとなることを示唆しています。
以下は、この研究結果について記載された英文記事の翻訳です。
イギリス政府が電子タバコは紙たばこと比較して95%ほど安全だと発表
イギリス政府は、喫煙者に対し、紙タバコから電子タバコへの切り替えが健康リスクを大幅に減少させることを周知させるため、新たなキャンペーンを開始しました。
また、イングランド公衆衛生サービス(PHE)は、この事実を認識している喫煙者は半数以下に過ぎないと指摘しています。PHEは、電子タバコの安全性に対する「誤った恐怖」に対抗するため、喫煙者がタバコを吸わない場合や電子タバコを使用した場合とで有害物質やタールがどれだけ異なるかを示す新しい動画を作成しました。
保健省は、喫煙による壊滅的な健康被害を示す実験映像を公開し、電子タバコへの切り替え方法や禁煙支援の方法についても紹介しています。この動画は、毎日の喫煙が健康に与えるダメージを視覚的に示し、2022年1月から禁煙を試みる喫煙者を支援するPHEの健康被害キャンペーンの一環として公開されています。
研究によると、喫煙者の44%は電子タバコが紙タバコと同様に有害だと誤解しており、また、電子タバコが紙タバコよりもはるかにリスクが低いという事実を認識していないことが明らかになっています。
2022年1月には少なくとも50万人が禁煙を試みると予測されており、PHEは禁煙を試みる人々に対し、禁煙成功のための道しるべとして「パーソナル・クィット・プラン」を利用するよう勧めています。
動画内では、ライオン・シャハブ博士とローズマリー・レナード博士が、喫煙者が1ヶ月間に吸い込む化学物質やタールの量を、電子タバコや禁煙者と比較して視覚的に示す実験を行っています。
実験では、タバコの煙、電子タバコの煙、通常の空気を肺に吸い込んだ状況を示すために、瓶に綿を入れ、それぞれの肺に見立てて効果を視覚化しました。それぞれの瓶をダイアフラムポンプ(膜型ポンプ)に取り付け、1つ目は紙タバコの煙を通し、2つ目は電子タバコの煙を通し、最後の瓶には空気だけを通すように設定しました。
実験が終了した時、紙タバコの瓶の中と中の綿は茶色く変色し、空気ポンプに繋がるチューブにはタールが濃く付着しているのが確認されました。
それに対して、電子タバコの瓶に入っていた綿にはほとんど変化がなく、水蒸気の付着とリキッドの着色料がわずかに付着していただけでした。
PHEの担当教授であるジョン・ニュートン氏は、この実験が視覚的に喫煙と電子タバコの影響の違いを明確に示したと述べました。
研究によると、電子タバコには低いながらもリスクがあるものの、喫煙に比べて少なくとも95%有害ではないと推定されています。
「電子タバコへの切り替えが禁煙の第一歩となり得ることを、研究や実験で証明できたにもかかわらず、正しい情報が広まらず、誤った情報により電子タバコの安全性に不安を感じている喫煙者が多いことが現状です。電子タバコが喫煙よりはるかに害が少ないことを伝え、喫煙者を安心させる必要があり、この実験は紙タバコによって引き起こされる甚大な健康被害と比較して、電子タバコのリスクがいかに低いかを強調しています。電子タバコやニコチンパッチ、ニコチンガムなどの禁煙補助製品を使いながら、より多くの喫煙者が禁煙に成功できるよう支援する必要があります。禁煙を試みる方々には、無料のオンライン禁煙プランを利用して、自分に合ったサポートを見つけることをお勧めします。」とニュートン氏は述べています。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの健康心理学と禁煙学の専門家であり、准教授でもあるライオン・シャハブ博士は次のように述べています。
「電子タバコが喫煙と同様に有害であるという誤った情報や思い込みが原因で、禁煙成功の第一歩を踏み出せない喫煙者が何千人もいると思われます。この実験が、電子タバコに切り替えることでどれだけ喫煙によるダメージを回避できるかを視覚的に示すことができることを期待しています。電子タバコは喫煙よりも有害性がはるかに少なく、長期的に使用することは、ニコチンパッチやガムのようなライセンスされたニコチン製品と同様に比較的安全であることが他の機関でも立証されています。パッチ、ガム、電子タバコなどのニコチン代替品を使用することで、禁煙成功の可能性が高まります。」とシャハブ博士は述べています。
喫煙は、がんや心臓病など50以上の深刻な健康問題を引き起こすリスクを高め、脳卒中で死亡するリスクを倍増させます。
イギリスには610万人の喫煙者がいますが、そのうちの10人に6人が禁煙を希望しています。しかし、多くの喫煙者は意志の力だけで禁煙に挑戦し、結果的に失敗を繰り返しています。急に禁煙を始めたものの、挫折を経験する人が今なお多く存在します。
最も成功率が高い禁煙の試みは、効果的な禁煙支援方法を組み合わせたものであり、最近の研究によると、電子タバコの使用を支援に活用した喫煙者は、再び喫煙を始めるリスクが低いことが示唆されています。
PHEの「Personal Quit Plan」は、喫煙者が自分の喫煙量や過去に試した禁煙サポートを考慮し、禁煙を助けるための適切なサポートを提案する、迅速で無料の使いやすいデジタルツールです。
NHSのGP(一般開業医)であるレナード博士は、「私がこの実験に参加したいと思ったのは、喫煙が人々の健康に与える壊滅的な影響を毎日目の当たりにしているからです。しかし、タバコを吸うと体内で何が起こるのかを実際に人々に見せる機会はほとんどありませんでした。
私は定期的に患者に禁煙のアドバイスをしていますが、電子タバコを勧めると、その安全性について誤解されていることに驚かされます。
この実験結果から明らかなのは、タバコを吸うたびにタールが体内に入り込み、血液中に毒を撒き散らすということです。
電子タバコは喫煙よりもはるかに低リスクであり、私はこの実験が喫煙成功の手助けになることを本当に願っています。何歳になっても、禁煙を始めるのに遅すぎることはありません。」と述べています。
スティーブ・ブライン公衆衛生大臣は、「政府の厳格な指導により、喫煙率は過去最低にまで低下しましたが、喫煙が私たちの健康をむしばむことに変わりはありません。イギリスで最も人気のある禁煙方法である電子タバコは、喫煙よりもはるかにリスクが低いことは明らかであり、地域の禁煙サービスと組み合わせることで、成功率はトップクラスです。」と締めくくりました。
PHE(公衆衛生イングランド)によると、禁煙したい人はインターネットで「Smokefree」と検索し、2022年には自分に合った最良の方法を見つけるべきだとしています。
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